「あの人とは五行の相性が悪いらしい」と知って、なんとなく気持ちが沈んだことはありませんか。
四柱推命や九星気学で五行に触れると、「相生」「相剋」という言葉が出てきます。
ただ、その見方を一度きちんと知っておかないと、「剋=悪い」とだけ受け取って、必要以上に悩んでしまうこともあります。
この記事では、五行の相性は「良い・悪い」ではなく「二人のあいだで力がどう流れるか」を見るものという前提で、基本の見方を順番にお伝えします。
紫微斗数(しびとすう)の命盤では五行がどう使われるのか、そして相剋の関係をどう受け止めればよいのかも、あわせて整理していきます。
- 相生・相剋・比和という3つの関係の意味
- 五行の組み合わせ25通りがひと目でわかる早見表
- 自分と相手の五行を調べて相性を読む3ステップ
- 紫微斗数の「五行局」と14主星の五行
- 相剋の相性を恋愛・仕事・お金の分野ごとに読み替えるヒント
美沙私も昔、四柱推命の本で元夫との五行が「相剋」だと知って、しばらく落ち込んだことがあります。
あとで紫微斗数の命盤を読んでみて、問題は相性の良し悪しではなく、「どの分野でぶつかっていたか」だったと気づきました。
同じように不安になっている方に、少しでも肩の力が抜ける読み方をお伝えできたらうれしいです。
五行の相性とは?「相生・相剋・比和」の3つの関係


五行とは、世の中のすべてを木・火・土・金・水の5つの性質で捉える、古代中国の考え方です。
五行の相性は、この5つの性質同士が「育て合うか」「抑え合うか」「同じか」の3パターンで読み解きます。
四柱推命・九星気学・紫微斗数など、東洋の占術の多くがこの土台を共有していると言われています。
相生(そうしょう):片方がもう片方を育てる関係
相生は、一方がもう一方を生み出し、育てる流れのことです。
木は燃えて火を生み、火は灰となって土を生み、土の中から金(鉱物)が生まれ、金の表面には水が生じ、水は木を育てるという循環になっています。
恋愛や人間関係に置き換えると、「自然に支え合える」「一緒にいると力が湧く」関係と受け取られることが多いです。
ただし、育てる側(生む側)はエネルギーを与え続けるため、気づかないうちに疲れがたまることもあると言われています。
相剋(そうこく):片方がもう片方を抑える関係
相剋は、一方がもう一方の勢いを抑える関係です。
木は根で土を締め、土は水をせき止め、水は火を消し、火は金を溶かし、金(刃物)は木を切るという流れになります。
「剋」という字から悪い相性だと思われがちですが、抑える力は「行き過ぎを止める」「形を整える」働きでもあります。
木が育ちすぎれば剪定が必要なように、相剋は刺激や成長のきっかけとして読むこともできます。
比和(ひわ):同じ五行同士の関係
比和は、木と木、水と水のように、同じ五行同士の組み合わせです。
価値観や感覚が似ているため、わかり合いやすく安心感がある関係と言われています。
一方で、同じ性質が重なることで偏りが強まり、二人そろって同じところでつまずきやすい面もあります。
【早見表】五行の相性25通りがひと目でわかる一覧
自分の五行(左の列)から見て、相手の五行とどんな関係になるかをまとめました。
「生む」「生まれる」「抑える」「抑えられる」の向きまで見ると、二人の役割分担が見えてきます。
| 自分の五行 | 相手を生む (相生・与える側) | 相手に生まれる (相生・受け取る側) | 同じ (比和) | 相手を抑える (相剋・抑える側) | 相手に抑えられる (相剋・抑えられる側) |
|---|---|---|---|---|---|
| 木 | 火 | 水 | 木 | 土 | 金 |
| 火 | 土 | 木 | 火 | 金 | 水 |
| 土 | 金 | 火 | 土 | 水 | 木 |
| 金 | 水 | 土 | 金 | 木 | 火 |
| 水 | 木 | 金 | 水 | 火 | 土 |
たとえば自分が「水」で相手が「木」なら、あなたが相手を育てる相生の関係です。
自分が「水」で相手が「土」なら、相手があなたを抑える相剋の関係になります。
同じ相生や相剋でも、どちらの立場にいるかで関係の感じ方は大きく変わります。
| 関係 | よく言われる特徴 | 意識したいこと |
|---|---|---|
| 相生(与える側) | 面倒見がよく、相手を伸ばせる | 与えすぎて疲れていないか確認する |
| 相生(受け取る側) | 安心して甘えられ、力をもらえる | 受け取るばかりにならないよう感謝を言葉にする |
| 比和 | 価値観が近く、共感しやすい | 二人とも苦手な分野を外の力で補う |
| 相剋(抑える側) | 相手を導き、方向を整えられる | 正しさを押しつけていないか振り返る |
| 相剋(抑えられる側) | 刺激を受けて成長しやすい | 窮屈さを我慢せず、伝える場をつくる |
五行の相性の見方|自分と相手を読み解く3ステップ


相性を読む流れは、大きく分けて3つの段階になります。
大切なのは、早見表の結果だけで判断せず「どの分野の話なのか」まで落とし込むことです。
ステップ1:自分と相手の「五行」を調べる
まずは二人それぞれの五行を知るところから始めます。
ただし、どの五行を使うかは占術によって異なります。
同じ人でも占術が違えば五行も変わることがあるので、比べるときは必ず同じ物差しをそろえてください。
| 占術 | 相性に使う主な五行 | 必要な情報 |
|---|---|---|
| 四柱推命 | 日干(生まれた日の十干)の五行 | 生年月日(より詳しくは出生時刻) |
| 九星気学 | 本命星の五行 | 生年月日 |
| 紫微斗数 | 五行局・主星の五行(あくまで補助的に) | 生年月日と出生時刻 |
ステップ2:早見表で二人の関係と「向き」を確認する
二人の五行がわかったら、上の早見表で関係を確認します。
このとき「相生だから安心」「相剋だからだめ」と結論を急がず、どちらが与え、どちらが受け取る形なのかという向きを見てください。
今の関係で感じている心地よさや窮屈さと照らし合わせると、「だから私はいつも先回りしていたのか」といった気づきにつながりやすくなります。
ステップ3:その関係が「どの分野」で働くかを見る
ここが、紫微斗数ならではの見方です。
紫微斗数では、人生を12宮(じゅうにきゅう)という12の部屋に分けて読みます。
12宮とは、自分自身を表す「命宮」、パートナーとの関係を表す「夫妻宮」、仕事を表す「官禄宮」、お金の流れを表す「財帛宮」など、人生の分野ごとに分けられた区画のことです。
五行の相性がたとえ相剋でも、ぶつかりやすいのは仕事の進め方だけで、家庭の中ではむしろ補い合えている、ということは珍しくありません。
相性を「全体でひとつの点数」ではなく「分野ごとの組み合わせ」として見ると、悩みがぐっと整理されます。
ある宮を読むときに、関係の深い宮をあわせて見る「三方四正(さんぽうしせい)」という見方もあります。
分野ごとに相性を見たい方は、こちらも参考にしてみてください。
【関連記事】三方四正の見方を4ステップで解説|12宮まるごと早見表つき



アパレルの店長をしていた頃、部下の一人と五行で見るとまさに「私が抑える側」の相剋でした。
命盤を見直してみると、ぶつかっていたのは仕事の進め方を表す宮の話で、人としてはむしろ尊敬し合えていたんです。
「全部が合わない」わけではないとわかっただけで、翌日から声のかけ方が変わりました。
紫微斗数で見る五行の相性|「五行局」と14主星の五行
四柱推命の本で五行に触れた方は、「紫微斗数にも五行はあるの?」と気になるかもしれません。
紫微斗数にも五行はありますが、相性を決める主役ではなく、命盤の「リズム」や星の「性質」を表す補助的な物差しとして使われます。
五行局とは?人生のリズムを表す5つの型
紫微斗数の命盤には、五行局(ごぎょうきょく)というものがあります。
これは、自分自身を表す「命宮」の干支から導き出される、その人の命盤全体の型のようなものです。
五行局は5種類あり、局についている数字は、「大限(たいげん)」が始まる年齢を表すとされています。
大限とは、人生を約10年ごとの区切りで見ていく運気の流れのことです。
| 五行局 | 最初の大限が始まる年齢 | よく言われるイメージ |
|---|---|---|
| 水二局 | 2歳 | しなやかで、流れに合わせて形を変えられる |
| 木三局 | 3歳 | 伸びやかで、少しずつ成長していく |
| 金四局 | 4歳 | 芯があり、物事をきっぱり決めていく |
| 土五局 | 5歳 | どっしりと安定し、積み重ねを大切にする |
| 火六局 | 6歳 | 情熱的で、勢いをもって進んでいく |
二人の五行局を早見表に当てはめると、生き方のテンポや物事への向き合い方の違いを考えるヒントになります。
ただ、五行局は命宮の干支から決まるため、出生時刻がわからないと正確に出すことができません。
生年月日だけで出した結果は、あくまで目安として受け止めてください。
五行局と深くかかわる大限の読み方は、こちらで詳しくまとめています。
【関連記事】紫微斗数「大限」の見方|10年ごとの運気の波を読む5つの手順
14の主星にもそれぞれ五行がある
紫微斗数で性格や運勢を読む中心になるのが、14の主星(しゅせい)です。
主星にもそれぞれ五行が割り当てられていて、星の性質を理解する手がかりになります。
なお、星の五行には流派によって解釈が異なるものもあるため、下の表は代表的な説として参考にしてください。
| 五行 | 主な主星 | よく言われる共通の雰囲気 |
|---|---|---|
| 木 | 天機星・貪狼星 | 知恵や好奇心があり、伸びようとする力 |
| 火 | 太陽星・廉貞星 | 明るさや情熱、人を照らす力 |
| 土 | 紫微星・天府星・天梁星 | 包容力があり、周りを守り支える力 |
| 金 | 武曲星・七殺星 | 決断力があり、物事を切り開く力 |
| 水 | 天同星・太陰星・巨門星・天相星・破軍星 | 感受性が豊かで、柔らかく変化に寄り添う力 |
たとえば、命宮に火の太陽星を持つ人と、水の太陰星を持つ人は、五行だけ見れば「水が火を抑える」相剋です。
けれど紫微斗数では、太陽と太陰は昼と夜のように補い合う対の星として読まれることも多く、五行の相剋だけでは語りきれません。
星の五行はあくまで性質を知る手がかりのひとつで、相性の結論を出すものではない、と受け止めるのがよいと思います。
五行より大切なのは「宮の組み合わせ」と四化
紫微斗数で二人の相性を見るときは、五行よりも次のような点を重視するのが一般的と言われています。
- 相手の命宮の星が、自分の夫妻宮(パートナー像を表す宮)の星とどう響き合うか
- 相手の生まれ年から出る「四化」が、自分の命盤のどの宮に入るか
- 今の大限で、二人それぞれがどの分野に力を注ぐ時期にいるか
四化(しか)とは、星に加わる4つの変化のことで、化禄(豊かさ・居心地のよさ)、化権(主導権・推進力)、化科(評価・穏やかさ)、化忌(こだわり・執着、縁の濃さ)を表します。
五行が「性質の相性」だとすれば、四化は「相手が自分の人生のどの分野に、どんな影響を運んでくるか」を映すものです。
紫微斗数が相性について精密だと言われるのは、この分野ごとの影響まで読めるからだと私は受け取っています。
相剋の相性は悪くない|恋愛・仕事・お金の分野別の読み替え方


五行の相性を調べて相剋だったとき、いちばん気になるのは「この関係を続けてもいいのか」ということではないでしょうか。
相剋は「縁がない」という意味ではなく、「力の向きを整えると生きる関係」と読み替えることができます。
あいだに入る五行で橋渡しする「通関」という考え方
五行には、相剋の二つのあいだに別の五行をはさむと流れがなめらかになる、という考え方があります。
たとえば「木が土を抑える」関係では、あいだに火を置くと木→火→土という相生の流れに変わります。
これを通関(つうかん)と呼びます。
日常に置き換えると、共通の趣味や第三者、ふたりで一緒に取り組む目標などが「橋渡し役」になる、と受け取ることもできます。
| 相剋の関係 | 橋渡しになる五行 | 暮らしでの取り入れ方の一例 |
|---|---|---|
| 木が土を抑える | 火 | 一緒に笑える時間や、明るい場所での会話を増やす |
| 火が金を抑える | 土 | 決まった習慣や、落ち着ける家の時間を大切にする |
| 土が水を抑える | 金 | ルールや役割分担を言葉にして決めておく |
| 金が木を抑える | 水 | 気持ちを話す時間や、柔らかな対話の場をつくる |
| 水が火を抑える | 木 | 二人で一緒に学ぶこと・育てることを持つ |
恋愛・結婚:夫妻宮で「何を求めているか」を見る
恋愛や結婚で相剋だと感じるときは、自分の夫妻宮にある星を見てみると、パートナーに何を求めているのかが見えてきます。
相手に「抑えられる」窮屈さを感じていても、夫妻宮が頼れる相手を求める配置なら、その抑える力は「守られている安心」として働いているのかもしれません。
抑える側の場合は、自分の正しさを押しつけすぎていないか、ときどき立ち止まるだけでも関係がやわらぐと言われています。
五行の相剋と同じように、紫微斗数の「化忌」も相性が悪いサインと誤解されがちです。
実際には縁の濃さを表すとも言われているので、気になる方はこちらもどうぞ。
【関連記事】化忌の相性は悪いって本当?命盤が映す縁の濃さ5つの読み方
仕事:官禄宮で「役割分担」として捉える
職場の上司や同僚と相剋の関係にあるときは、官禄宮(仕事への向き合い方を表す宮)を見ると、ぶつかる理由が整理しやすくなります。
たとえば、金の決断力と木の伸びやかさは、ぶつかれば摩擦になりますが、役割が分かれていれば「アイデアを出す人」と「決めて形にする人」という良い組み合わせにもなります。
相剋を「相手を変える問題」ではなく「役割をどう分けるか」の問題として捉えると、気持ちがずいぶん楽になります。
お金:財帛宮で「使い方の違い」を知る
夫婦やパートナーのあいだで、お金の使い方が合わないと感じることもあるかもしれません。
財帛宮はお金の稼ぎ方や使い方の傾向を表す宮で、ここを見ると「堅実に貯めたい人」と「経験にお金をかけたい人」といった価値観の違いが見えてきます。
どちらが正しいかではなく、違いを知ったうえで家計のルールを話し合うきっかけにするのがおすすめです。
なお、命盤は金運を約束するものではありません。
具体的なお金の判断は、ご自身の状況にあわせて専門の窓口にも相談してくださいね。



私は相性を調べるたびに、「合わない理由」を探していた気がします。
でも命盤を宮ごとに見ていくと、「この分野は合わないけれど、こっちの分野では支えてもらっていた」と、相手への見方が少しずつ変わっていきました。
相性は答えではなく、二人の関係をやさしく見直すための鏡なのだと思います。
五行の相性の見方でよくある質問
Q.五行の相性が相剋なら、別れたほうがいいのでしょうか?
相剋だからといって、別れたほうがいいということにはなりません。
相剋は刺激し合い、成長し合える関係とも言われ、長く良い関係を築いている相剋のカップルもたくさんいます。
五行はあくまで関係の傾向を知るための手がかりなので、今のふたりの気持ちや実際の関わり方を何より大切にしてください。
Q.四柱推命と紫微斗数で、自分の五行が違うのはなぜですか?
占術によって、五行を取り出す場所が違うためです。
四柱推命は主に生まれた日の十干(日干)を、紫微斗数は命宮の干支から出る五行局を使います。
どちらが正しいというより、見ている角度が違うと考えると自然です。
相性を比べるときは、必ず同じ占術の五行同士で見てください。
Q.出生時刻がわからなくても五行局は調べられますか?
五行局は命宮の位置で決まり、命宮は出生時刻によって変わるため、出生時刻がわからないと正確に出すことは難しいです。
母子手帳などで時刻を確認できると安心です。
どうしてもわからない場合は、これまでの出来事から時刻を推定する方法を使う鑑定士もいるので、専門家に相談してみるのもひとつの方法です。
まとめ|五行の相性は「分野ごと」に見ると前向きに受け止められる
五行の相性の見方を、あらためて整理します。
- 五行の相性は相生・相剋・比和の3つの関係で読む
- 相生・相剋は「どちらが与え、どちらが抑えるか」という向きまで見る
- 五行を比べるときは、同じ占術の物差しをそろえる
- 紫微斗数では、五行局や主星の五行は補助的な手がかりで、宮の組み合わせや四化がより大切
- 相剋は「悪い相性」ではなく、通関や役割分担で生かせる関係
相性の良し悪しにとらわれるより、恋愛・仕事・お金と分野ごとに二人の関係を見つめるほうが、悩みはずっと整理しやすくなります。
紫微斗数の命盤は、そのための鏡のようなものだと私は感じています。
ただ、五行局や四化を含めて正確に読むには、出生時刻をもとにした命盤づくりと、たくさんの星の組み合わせを読む経験が必要です。
「私たちの場合はどうなのだろう」と気になったら、紫微斗数にくわしい専門家に、ふたりの命盤を一緒に読んでもらうのもひとつの選択肢です。



私自身、ひとりで本を読んでいた頃は、相性の結果に一喜一憂してばかりでした。
専門家に自分の命盤を読んでもらったとき、「この分野ではあなたが支える側、こちらでは支えられる側ですね」と言われて、ようやく関係の全体像が見えたんです。
誰にも話せずに抱えている方は、一度声に出して相談してみると、絡まった気持ちが少しほどけるかもしれません。







